鬼ごっこってスゴイ!
平素より松本山雅FCユースアカデミーに温かいご声援ありがとうございます。
今日は、各スクール、クリニックでの鉄板ウォーミングアップメニュー。鬼ごっこについて少し異なる観点から書き記したいと思います。
鬼ごっことは、「子供の遊戯の一つ。鬼になった者が他の者を追いまわし、つかまった者が次の鬼となる。おにあそび。おにごと。」(広辞苑)です。
おそらく日本で最も遊ばれている遊びではないでしょうか。
スクールやクリニックをご覧になられている皆様は、「最初は遊びから緊張をほぐしていくのね」という印象かと思いますが、鬼ごっこには様々な能力をはぐくむことができるのです。
鬼ごっこは、決められたルートを走るのではなく、鬼との位置関係を把握する「空間認知」、よける動き「敏捷性」、緩急の付け方、崩れた体勢でも動き続ける能力、どのようなルートを選べば鬼から逃げられるか見つけ出す判断力などスポーツとの親和性が極めて高い遊びです。
いわきFCの小俣氏によると、スポーツ全般において、一瞬で感覚的に全体をとらえる能力、つまり自分の姿勢や体勢、相手との関係性などの情報を収集する感覚が必要としており、鬼ごっこはその感覚を養う最適なトレーニング(小俣,2020)だそうです。
また、様々な条件を設けることによって、はぐくむ能力も変化していきます。
例えば、こおり鬼のような仲間を助けるルールを盛り込んだ鬼ごっこでは、「援助行動」の獲得を促すことができる可能性(上野,2014)を示唆する研究もあります。
「鬼ごっこ」「運動能力」というキーワードで検索をすると、1000を超える研究論文がヒットします。運動能力や幼児教育の観点からも鬼ごっこ、甘く見てはいけません。
松本山雅FCのスポーツスクールでは、子どもたちが楽しく、そして自然と運動能力が向上する楽しいメニューを取り揃えてお待ちしております。ぜひコーチが繰り出す、ユニークで楽しい鬼ごっこに注目してみてください!
参考文献
小俣よしのぶ:「スポーツ万能」な子どもの育て方 , 竹書房 , 2020
上野耕平:援助行動を含む鬼ごっこ (お助け鬼・なかま鬼) への参加が児童の援助自己効力感に及ぼす影響 , 鳥取大学 大学教育支援機構教育センター紀要 , 2014